国際的なラグビー(大会)は、ホントに日本人に必要なの?
2011年のラグビーワールドカップ開催招致、いろんな所でいろんな方が、話題を盛り上げようとしていらっしゃいます。
でも、相当のラグビーファンでもない限り、この招致活動についてはご存じないでしょう。そして、もし今回日本が、南アやNZという強力なライバルを抑えてワールドカップ開催が正式決定したとしても、たぶん日本国内での盛り上がりって殆ど望めないと思う。
2002年日韓ワールドカップ招致活動は、1990年代初頭から始まっていました。もちろん、最初から盛り上がっていたわけではありません。
当時、元ブンデスリーガで活躍した奥寺康彦氏が、島田紳助のテレビ番組にゲスト出演してこのことを話したところ、島田司会者は「2002年ってエライ先の話やなぁ、宇宙の旅やないねんから」ってギャグにしていたのを覚えています。その時点で、ワールドカップ共同開催決定までだいたい6-7年あったんですけどね。ただJリーグ発足に伴うサッカー人気の爆発、そして具体的に招致活動が盛り上がりを見せる中で、実際のワールドカップ開催まではまさしく「アッという間」だった、という印象です。とにかく、世界最大級のビッグイベントを開催するのは、10年スパンでようやく何とかなったという印象でした。日本中が盛り上げて、盛り上がって、囃して囃されての関係がかなりスムーズに行って、それで10年がギリギリ一杯だって事を、少なくとも私は感じたなぁ。
じゃ今回のラグビーW杯招致活動はどうよ?
開催決定までもう数えるほどしか月日も残っていないのにこの熱気の無さ。もし招致が決まっても、それまであと6年しか無いです。たったの6年。
どう考えても時間無さ過ぎでしょ。日本で、まっとうなワールドカップを開催しようと思ったら。
しかも、いまや人気ナンバーワン競技にのし上がったサッカーとは異なり、日本ラグビーはマイナー競技化にますます拍車がかかっています。さらに続く不祥事で、イメージはどんどん低下していく。
ラグビーは、一部のヲタご用達種目に成り下がっているんですよ。そしてその傾向は、今後もどんどん続く。またファンの高齢化は、日本社会と歩みを同じくしています。
簡単に言えば、日本人にとっては、ラグビーW杯地元開催は不必要なものなんです。違いますか?
サッカーもあるし、プロ野球もある日本のスポーツ界。この上ラグビーのワールドカップを、わざわざ日本に呼んでくる意味はどこにありますか?
いやそれでも、日本招致の意義がある、って事を他競技のファンや、関心を持っていない人に対して説得力を持って語れますか?日本のラグビーファン、スポーツファンの為に。それを迫力もって語れなきゃ、そして何事か実行出来なきゃ、ごく一部だけの盛り上がりに終わる気がする。首尾よく招致に成功しても、日本のスポーツ界や社会に対するインパクトは殆ど望めないでしょう。なんかやっとるわい、くらいにしか思われないはず。
巨額の金を投資して、スタジアムを整備し、代表強化に準備をかけ、世界のラグビーファンを招く。世界のラグビー界に対する貢献という意味なら、こういった事だけでも十分に出来るんじゃないかな。これまでは、欧州か南半球などのラグビー強国に限られていた開催地選びから、初めてアジア開催を行うという歴史的な意義は大きいでしょう。所謂ジャパンマネーに対する期待もまだまだ大きいでしょうしね。
でも、それと日本のスポーツ界に対する貢献は別問題なんですけどね。ひょっとしたら、 ラグビーそのものが日本人から不必要とされつつあるかもしれない のに、一体誰のためのワールドカップ招致なのか、もう1回根本からファンの立場で考える必要があるんじゃないかな。
こういうことは、あなた達(ラグビーファン)の嫌いなサッカーファンがさんざん考えてきたことなんですよ。
だいたいラグビーというスポーツが、日本人の中で真剣に問われた経験って無いでしょ。サッカーや野球は、プロや高校野球のあり方までも含めて、社会の中で常に厳しい視線に晒されて来ました。
対するラグビーには、ラグビー協会や関係者には、今までそんな経験が一度も無いんです。そこまでシリアスに、ラグビーというスポーツが日本人の中で取り扱われたことが無いのに、いきなりワールドカップなんてホントに開催出来ますか。五輪やサッカーほどではないにしても、ラグビーW杯は会を追うごとに、スポーツ界有数の大型イベントに成長しています。海外からの関心も半端ではなくなってきます。もしやるんなら、下手を打つことは出来ません。
そんな期待にこたえることの出来る人材が、今の日本ラグビー界にいますか。いないとして、若い人材を育てたり、有能な経験者を国内外から呼んだり、そんな事が可能でしょうか。
そりゃ国際スポーツイベントの得意な日本だから、大会そのものの開催自体は上手くやれるでしょうが、でもそれを後々まで実りあるイベントだったとして評価できるような、そんな価値のあるものにすることが出来ますか。
世界のスーパースター達のプレーが間近に見れる、それはほんの一時的なことに過ぎないんで、むしろ問題は「その後」ですよね。NZや南アは良いでしょう、もうラグビー文化の国なんだから、その延長でやればいい。でも日本という国では
「日本人にとって、ラグビーのワールドカップを開催することにはこんな意義がある。」
これをきっちり見せていかないと、いくら囃されても誰も踊りませんよ。
たとえば、ちょっとJリーグっぽくて恐縮ですけど、日本にラグビークラブがたくさん出来て、気軽に楕円球を親しみ、楽しむことのできる環境がどんどん広がっていくよ...みたいな、今本当の意味でラグビーに携わって頑張っている人々が報われるような、日本ではラグビーをこんなスポーツと捉えて、こんな形で発展させて、日本という国で育てていこう...という、ある種の理想みたいなのも全然見えないでしょう。
そりゃ理想だけじゃダメだけど、理想も無いのに花火を上げるだけってのはもっとダメと思うよ。
今の形だと、単なるイベントを呼んでいるだけの感覚に見えちゃうんですよね。
そういう視点で見れば、ラグビー協会の新会長って、なんだかある人々にとっては大変な適任者なのかもしれないな。